カロとピヨブプト
| TVシリーズ | 1992 | 日本 | 4分20秒x3話 | 35mm・HD・ DCP | スタンダード | ステレオ | セリフなし |
絵コンテ |
セル |
オブジェ |
メーキング |
スチール |
山村浩二作品集 I |
演出、アニメーション、美術:山村浩二
撮影:秋吉信幸
音楽:シジジーズ
声:カロ・須藤 隆、ピヨブプト・冷水ひとみ
制作:ヤマムラアニメーション
NHK「プチクレイ」にて放送
受賞: アニメーション映画最優秀監督賞:シカゴ国際児童映画祭
プラハ賞:ズーリン国際映画祭
子ども向けのアニメーション部門第2位:第5回国際アニメーションフェステイバル広島大会
公式セレクション: ベルリン映画祭キンダーフィルムフェス
カイロ国際児童映画祭
カルーセル国際映画祭
第5回ニューイングランド国際児童映画祭
第37回ライプチヒ国際アニメーション、ドキュメンタリー映画祭
第11回キッドフィルムフェスティバル
アヌシー 95
第10回テヘラン国際青少年映画祭
第9回ボンベイ国際子どもと青年の映画祭
ブルッセル・カートゥーン・アンド・アニメーテッドフィルム・フェステイバル
招待上映:
第2回ドレスデン子供映画祭
第10回ベルリン、ブランデンブルグ キンダーキノテージ
国際トリックフィルム映画祭
国際青年映画祭
ファントーシュ第1回国際アニメーションフィルムフェスティバル
国際青少年アニメーションフェスティバル
第3回スース国際青少年映画祭
フェスティバルズ・オブ・ライト・フィルムフェストほか
レビュー:"Keep it in Motion - Classic Animation Revisited: the Karo and Piyobupt trilogy" (By Chris Robinson, January 5, 2017, AWM.com)
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山村浩二の『カロとピヨブプト』三部作は、ありふれたものの素晴らしさ、瞬間の美しさを讃えている。彼らの世界には過去も未来もない。散乱する感覚の熱の中で、カロとピヨブプトはその瞬間を抱きしめ、呼吸し、微笑み、泣く。こうした小さな瞬間にこそ、私たちの人生の本質がある。その瞬間を生きるとは、ひとつひとつを味わうことだ。どんなに些細に見えても、そのパンくずがその人を作るのだ。
この世界では、人生は神聖なものだ。一粒一粒が消費され、楽しまれる。人生は喜びである。喜びはその一瞬一瞬から生まれる。ピヨブプトは、反「ウラジミールとエストラゴン」*である。彼らは誰も待たない。彼らはその瞬間を受け入れる。
「おうち」では、冬が近づく前にふたりで家を建てる。「あめのひ」では、雨の日を忘れるために想像力を働かせる。友情。コラボレーション。コミュニケーション。想像力。満足。それだけ。それだけ。分かちあう人生。愛される人生。
こどもの世界では、平凡なことは精神的なことと同じくらい重要なことなのだ。こどもは小さなことの中に偉大さを見出す。こどもは終わりや行いを心配せず、その過程だけに存在する。完成しようとするまでもなく、そこに完成がある。山村は、おとなとこどもの本質を体現する忘れられた空間、亀裂、隙間、枠からはみ出した瞬間を発掘する。こどものかけがえのない瞬間として息づく、枠にはまらない記憶。
クリス・ロビンソン(作家、作家、キュレーター、オタワ国際アニメーション映画祭ディレクター)
フィルム所蔵:国立映画アーカイブ
原画・素材所蔵:広島市立現代美術館