[…] 山村は、アニメーションが非力であればあるほど、より多くの結果が生まれるという、苦悩の巨大な宇宙的静止フレームを描いているようだ。
[…] 山村は映画の旅において、ボッシュ的な夢の解剖学を我々に提供し、強迫観念的な要素が、1時間強で我々が読むことのできる象徴的な言語を作り出すことができるのだ。
FILMEXPLORER | 文:ジュゼッペ・ディ・サルバトーレ | 2022.09.10 | スイス
日本からのもうひとつの作品は、山村浩二の短編映画『サティの「パレード」』で、エリック・サティが1916年に作曲した音楽作品をアニメーションで表現しています。山村はこの新作でもフランスに関心を持ち、サティのフランス語の引用を散りばめ、コクトーからピカソまでベル・エポックのアーティストを登場させ、音楽と同じように章立てで映画を構成しています。しかし、何よりも忘れてはならないのは、サティが世紀末の音楽風景の復活の一翼を担うと同時に、シュルレアリスムなどの前衛の精神に近い存在であったことです。彼の音楽は、時に無調に近く、予測不可能でエキセントリックであり、この映画監督のスタイルにぴったりです。山村は、不条理でほとんど形而上学的なキャラクターやオブジェクトを、曲中で演奏されるさまざまな楽器のリズムに合わせて動かし、既知の、しかし認識できない宇宙の中で、複雑ですっきりした、気まぐれでカラフルな動きを再発見することに楽しみを感じています。
Festival d'Annecy, jour 1 : périple asiatique | Revue 24 Images (Canada, Par NICOLAS THYS, 2016.06.13) >Site
山村浩二のアニメーションにおける時間構築 マイブリッジの糸
タニア・デ・レオン・ヨン [第4回イラストレーション&アニメーション国際会議、2016.06.10-12、バルセロス - ポルトガル]
凸レンズで心理を見るような…
『頭山』『年をとった鰐』と不条理劇を独自のアニメーション作品に結実されてきた山村浩二氏が、不条理の本丸、カフカい挑んだ。今まで世界の誰も試みなかった人物の心理をアニメーションと言う凸レンズであぶりだしてくれる。 (川本喜八郎 アニメーション作家 2007)
すぐれた幻想物語を読んでいる僕たちの頭のなかでは、いろんなものが大きくなったり小さくなったり、恐ろしくなったり滑稽になったりしている。アニメーションにはほんとうはものくごくたくさんのことができるのに、僕たちはいままでその一部しか見ていなかったことを山村浩二の作品はおしえてくれる。ユーモアと恐怖、美しさとグロテスクさ、深遠さと軽妙とが、何と濃密に入り混じった20分間か!(柴田元幸 東大教授・翻訳家 2007)
喜び、楽しみ、笑いが人生を占めているとはかぎらない。つらさ、義務、厳しい現実と悲しいさだめが待っている。どうしようもないときに、自分がこわれない道を見定めて歩いていくにはそうしたらいいだろう?カフカはプラハの石畳の上で知っていたのだろう。生に向かいあうとき、凍えた手と手は、つながっていく。つながる手。そこに生まれた体温が山村監督の映像から伝わる。(梶原初映 チェコ情報誌CUKR(ツックル)編集長 2007)
揺らめき、震える世界 [土居伸彰 Animations creators & critics 2007]
"Komik des passiven Körpers: Kôji Yamamura Animationsfilm Kafka - Ein Landarzt (2007)" [Kentaro Kawashima, Körperinszenierungen im japanischen Film 2016]
Metamorphosis as Origin–Koji Yamamura’s Short Animation Franz Kafka’s A Country Doctor [Kentaro Kawashima 2019] )
ここには人生の孤独に関する、ありとあらゆることが記されている。これ1本さえあれば、もう哲学書などすべて破棄してもいいほどだ。(相田冬二「invitation」9月号)
「年をとった鰐」の流れるような芝居とカメラワークは、ヤマムラスタイルのスタンダードに達している。そして、13分はあっと言う間で短く感じる。(by Taylor Jessen, Animation World Network, April 2005, アメリカ) » レビュー全文
話の先が分かりきったハリウッド産のアニメーション作品ばかりで食傷気味になったら、山村浩二の手書き作品「年をとった鰐」を見て治すといい。(by Chris Grove, Animation Magazine, 2005.07, アメリカ)
淡々とした鰐の姿にいつしか引き込まれていく作品。「ピクトアップ」OCT+NOV 2005
山村浩二の最新作『年をとった鰐』には、アニメーションの持つそんなプリミティブな魅力が──繊細な技術力に裏 打ちされて──漲っている。(深川壱之「Esquire」Web Must See 2005) » レビュー全文
「心にのこる一冊」(年をとったワニの話/山村浩二)» こどもの本 on the Web
「演技もカメラワークも山村のいつもの流麗な水準に達しており、13分という時間はあまりにも短すぎる」。
by Taylor Jessen, Animation World Network(April 2005 USA) » Read all reviews(AWN) » QuickTime Clip (AWN)
「ハリウッドスタジオのアニメーションの予測可能な定型表現に解毒剤を求めるなら、山村浩二の描画映画「年をとった鰐」をおいて他にないだろう。」 by Chris Grove, ANIMATION MAGAZINE(July 2005 USA)
Cortometrajes de Koji Yamamura: Mount Head y The Old Crocodile
Jubei Kibagami 2021.05.07, El Armario Animado » サイト
物語は本質的に非現実的だが、アニメーションはそれを釘付けにする。» レビュー全文
これら奇怪千万な生き物が全部自分に見える人は、かなり正常である。柴田元幸(翻訳家)
『この本読んで!』2016年春 58号 の「もう読んだ?新刊100」インタビュー
『この本読んで!』2016年春 58号 の「読者が選ぶ2015年の絵本はこれが好き!」
絵本テキスト大賞 作出版 我が子の失敗 前向きに(2015.05.09 読売新聞夕刊)
児童文学評論 No.204 (ひこ田中氏メルマガ)
Picture Book for peace 森野さかな(雑誌「pumpkin」2014年8月号)